松本成司 (matsu AT johnen.shinshu-u.ac.jp)

このページでは、授業用のオリジナル・ライブシステムを使ったNQCプログラムの作成やRCXへの転送方法について説明します。

目次

はじめに

このライブシステムは、Debian Live System (debian.org) というプロジェクトで開発されているツールを使って作成してあります。 基本的には以下のような方法で作業できます。

  • ライブCDからOSを起動して、USBメモリなどのメディアに作成したプログラムを保存する方法
  • OSの入ったUSBメモリから直接起動してを他のUSBメモリなどのメディアに作成したプログラムを保存する方法 (Windows や Mac でも作成したプログラムを閲覧・編集したい場合)
  • OSの入ったUSBメモリから直接起動して作成したプログラムもそのUSBメモリ(あるいは外部メディア)に保存する方法 (これがおすすめ)

どの方法でも、ハードディスクにインストールされている既存のOS(Windowsなど)に変更を加えることなしに作業できるので比較的安全な方法であると思います。 しかしながら、万が一、重要なデータが消えてしまったりパソコンが壊れてしまっても担当教員は責任を取ることができませんので、このことをあらかじめ了解した上で配布したCDやUSB起動ディスクを使用してください。 また作成したプログラムなどの個人のデータはこまめにバックアップを取るようにしてください。

用意するもの

以下は、Windows がプレインストールされたパソコンなどのDOSVマシン向けの説明です。 Apple社のパソコンについてはあてはまりません (情報収集中)。

  • USBメモリから起動する場合 (CDを使わない)
    • USBメモリから起動できるパソコン
      • 最近のパソコンであれば大抵は大丈夫だと思います。ただし NECのノートパソコンなど、BIOSの設定を少し変更しなければならない機種もあります。
    • ライブシステムの入ったUSBメモリ
      • 1GB以上のUSBメモリを松本まで持ってきてもらえれば DebianLive のイメージをそのUSBメモリにコピーします (受講生向けサービス)。最近では 1GB のUSBメモリも400〜700円程度で入手できるので、CDから起動する方法より、こちらの方法のほうがおすすめです。ただしパソコンやUSBメモリの種類によってはこの方法が使えない場合もありますので、その場合は、下記のライブCDを使ってください。
  • ライブCDを使う場合
    • CDから起動できるパソコン
    • 配布したライブCD
    • 作成したプログラムを保存するためのUSBメモリ (データを保存しない場合やネットワーク経由で他のコンピュータに保存する場合は不必要)
      • USBメモリは Windows や Mac 上で使用しているものでかまいません。パソコンで読み書きさえできれば、容量はどんなに小さなものでも問題ないでしょう。フロッピーディスクドライブが使えるパソコンの場合にはフロッピーディスクに保存することもできます。

起動方法

CDやUSB接続の機器からパソコンを起動する方法については、各自のパソコンのマニュアルを参考にしてください。Windows が入っているパソコンの場合、一般的にはBIOSの設定でCDやUSB機器を起動順位の一番最初にもってきます。またパソコンによっては、BIOSで設定しなくても電源を入れたのち、F12などのボタン (機種によって違います) を押すことで、どのデバイスから起動するのか選べる機種もあります。

さて、パソコンがうまく起動デバイス (CDやUSBメモリなど)を認識してくれたら Debian Live のスプラッシュ画面が現れ

Press F1 for help, or ENTER to boot: 

というプロンプトが表示されます。 ここでそのままEnter キーを押してください。

機種によっては、この起動画面でオプションの入力が必要なこともあります。 (例) 画面が暗いまま調節できなかったり、スリープ状態になったあとそのまま固まってしまう場合には、ここで「live acpi=off」と入力してみてください。

正常に起動すれば、Xfce というグラフィカルなデスクトップ環境での作業が可能になります。

(GNU/Linux上ではKDEやGNOMEなどのさらに高機能なデスクトップ環境が人気ですが、比較的低スペックのマシンでも快適に作業できるように、配布したCDにはあえて軽量な Xfce というデスクトップ環境を収録しました。それでもこの授業で必要なことは全部できると思います。)

作成したプログラムの保存場所

プログラムの編集方法と順序が逆になりますが、まずプログラムの保存場所を説明しておきます。

USBメモリから起動した場合

すでに /home/user/ というディレクトリ(フォルダ)が存在しているはずなので、この中あるいはこの中にサブ・フォルダを作成してその中に保存してください。 新しいフォルダを作成するには、ファイルマネージャを使って、ファイルやアイコンの表示されているウィンドウの中の何もないところを右クリックして「フォルダを作成」を選んでフォルダ名を指定してください。 ただし、他のOSとの互換性を考慮してファイル名やフォルダ名に日本語を使わないほうがよいでしょう。 またNQCプログラムのファイル名には、例えば test.nqc のように「nqc」という拡張子をつけて保存してください。そうすることでファイルマネージャから直接RCXへの転送が可能になります。

ところで GNU/Linux など UNIX 系の OS では、ディレクトリ (フォルダ) を / で区切ってファイルの場所を指定します。 例えば、/home/user/nqc/test1.nqc というのは、最上位のディレクトリ (ルート・ディレクトリ、単に / で表わす) の中の home というディレクトリ(フォルダ)の中の nqc というディレクトリ(フォルダ)の中の test1.nqc という名前のファイルです。

作成したファイルをWindows上でも読み書きしたい場合には、

  • 以下のCDの場合と同様にもう一本USBメモリを用意する
  • 一旦他のコンピュータにアップロードして Windows 上でダウンロードする
  • Debian Live のページ (debian.org) を参考に自分で USBメモリをカスタマイズする

などの方法があります。

(参考) ちなみに松本がUSBメモリにDebianLiveのイメージをコピーした際には、USBの残りの領域にパーティションを追加して、そこに各自のデータが保存されるように初期化してあります (ボリューム名は home-rw)。そのパーティション(ボリューム)が /home 以下として使われています (/home にマウントされています、という言い方をします)。

CDから起動した場合

Xfceのデスクトップ画面が現れたのち、パソコンにUSBメモリを挿入すると、自動的にファイルマネージャが起動してUSBメモリ(「1GB 取り外し可能なボリューム」のような名前で表示される) 内のフォルダやファイルの一覧が表示されるので、そこに保存してください。 Xfceが起動する前にUSBメモリをさしておいたときなど、ファイルマネージャが自動的に起動しない場合には、画面下部のパネル内にあるフォルダのアイコンをクリックしてください。

エディタの使い方

NQCのプログラムを作成するには、テキストエディタ(以降単にエディタ)と呼ばれるツールを使います。GNU/Linux上で使えるエディタは非常に数多く存在していますが、配布したシステムには Xfce 標準の「マウスパッド」というエディタが入っています。

起動方法
「マウスパッド」を起動するには、下部パネルにある紙と鉛筆のアイコンをクリックするか、ファイルマネージャでファイルのアイコンを右クリックして「マウスパッドで開く」を選びます。
日本語の入力
英数字入力モードと日本語入力モードの切り替えは「Shiftキー」+「スペースキー」で行います。 漢字変換は、 日本語入力モードでスペースキーや上下の矢印キーを使います。文節の変更はShiftキーを押しながら左右の矢印キーで行えます。
ファイルの保存など
基本的な操作は上部の「ファイル」から行えます。
コピー&ペーストなど
基本的な操作は上部の「編集メニュー」から行えます。 しかし実際には、マウスの左ボタンで「領域選択」、まん中ボタンで「貼り付け」というX Window System の機能を使ったほうが便利です (まん中ボタンがないパソコンの場合は、 左右同時クリックで代用できます)。 たいていの場合、この機能は違うソフト間でも有効です。
その他のエディタ
マウスパッド以外ではターミナルソフトから使える「nano」や「vi」といった定番エディタも使用できます。

プログラムの転送

作成したNQCのプログラムをコンパイルして転送する方法としては

  • ファイルマネージャを使う方法
  • ターミナルソフトから nqc コマンドを入力する方法

などがあります。

USBの赤外線タワーを使用している場合には、ファイルマネージャを使う方法がもっとも簡単でしょう。 この場合には、ファイルマネージャを開き、作成したプログラムのアイコンを右クリックして「RCXに転送」を選ぶと、コンパイル&転送まで行ってくれます。

ターミナルソフト (ターミナルエミュレータ) を使う場合には、下部パネルの黒い画面のアイコンをクリックしてターミナルソフトを起動し、

nqc -d ファイル名

と入力してください。 /home/user/ 以外のフォルダにあるプログラムを転送する場合には、例えば、

nqc -d /media/disk/test.nqc

のようにフォルダ情報 (ディレクトリ情報) まで含んだファイル名で指定するか、

cd /media/disk/

と入力してファイルのあるディレクトリに移動してから

nqc -d test.nqc

のようにファイル名を指定してください。 現在作業しているディレクトリは

pwd

というコマンドで表示されます。

コマンドを入力する後者の方法では、nqc のさまざまなオプションが利用可能になります。 詳しくは

man nqc

で調べてください。

ところで授業で配布したシステムでは、ターゲットとして RCX2, 転送機器としてUSBの赤外線タワーを使用するように設定してあります。Spybotics のSPCに転送する場合や、USB-Serial 変換アダプタを使ってシリアルの転送機器を使用する場合には「-Tspy」や「-S/dev/ttyUSB0」などのオプションをつけてください。

ちなみに Xfce のファイルマネージャでファイルのアイコンを右クリックしたときの挙動は、ファイルマネージャのメニューの「編集」→「アクションの設定」で変更・カスタマイズできます。

USBメモリの取り外し

USBメモリから起動した場合は終了するまでそのUSBメモリを取り外してはいけません。

起動USBメモリ以外のUSBメモリを取り外す場合は、該当するアイコンを右クリックして「取り出し」を選んだ後、USBメモリをはずしてください。

終了方法

終了する前に、保存していないデータがあれば保存してください。

下部パネルにある電源ボタンのアイコンをクリックして、「電源を切る」を選びます。 CDから起動している場合には、グラフィカルな画面から黒い画面(コンソール画面)に移ったあと

Please remove the disk and close the tray (if any) then press ENTER:

と表示されますので、CDを取り出して (次回もCDから起動する場合には取り出さなくてもよい) トレイを閉めた後、ENTERキーを押してください。 うまくいけばこれで電源が落ちるはずです。

省電力関連などで問題があり(ハード面 and/or ソフト面)、うまく終了できない場合は電源ボタンを長く押すことでたいていは強制終了できると思います (あまりおすすめできませんが)。

ちなみに終了ボタンを押した後、「電源を切る」を選ばずに「ログアウト」を選んだ場合、ユーザ名「user」、パスワード「live」で再びログインできます。

ネットワーク接続について

LAN上にDHCPサーバが動いていれば、おそらく多くの場合、特別な設定をしなくても有線LANを使用してインターネットに接続できるはずです。

無線LANでの接続についてはまったくテストしていませんので、そのままではつながらない可能性が高いでしょうwicd という設定ツールを使って (パネルの中にあるディスプレイが重なったアイコンをクリック) 接続する無線LANを選ぶことができます。ただし、パソコンによっては無線LANのデバイスを認識してくれないこともあると思います。 ところで無線LANの名前の左にある三角印をクリックすると「高度な設定」というボタンが表示されるので、暗号化の設定はここで行います。

ライブCDに含まれるその他のソフト

Xfce4に標準で含まれるソフト以外に以下のようなソフトを収録してあります。

  • iceweasel (Mozilla Firefoxベースのウェブ・ブラウザ)
  • OpenOffice.org (ワープロ・表計算・描画・プレゼンソフトなどを含むオフィス・スィート)
  • gimp (画像処理ソフト)
  • xfig, inkscape (ベクトル系の描画ソフト)
  • gcc, g++ (GNU の C, C++ コンパイラ)
  • ruby (スクリプト言語rubyのインタープリタ)
  • w3m (テキストベースのウェブ・ブラウザ)

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Last-modified: 2012-08-09 (木) 11:50:28 (2571d)