松本成司 Seiji Matsumoto (matsu AT johnen.shinshu-u.ac.jp)
lenny用のlive-helper 1.0.x から squeeze/sid用のlive-build 2.0 にアップグレードされて、使い方が多少変更になりました。詳しくはchangelog (/usr/share/doc/live-helper/changelog.Debian.gz) や本家のページ (live.debian.net) を見ていただくことにして、本サイトの説明に関係のありそうな変更箇所を以下まとめてみます。
(のがじゅんさんのサイト http://www.nofuture.tv/linux/debianlive に関連メモあり)
live-helper から live-build, live-config になりました。live-helper は transitional package になり削除可能ですが、残しておくと古い(2.0~a19-1以前の2.0.x?) lh コマンドもとりあえず使えるようです (さっさと削除してはやく移行したほうがよいかも)。あと、起動時の設定を行うための live-initramfs が live-boot-initramfs-tools になりそのフロントエンドとして live-boot というパッケージが追加されたようです。(2010-10-06追記)
とりあえず、必要なツールは
# apt-get install live-boot live-build live-config
でインストールされると思います。(2010-10-07追記)
live-helper 1.0.x ではそれぞれ別に用意されていた設定、ビルドのためのコマンド (lh_config, lh_build など) が、lh lb という単一のコマンド (wrapper) に統一されました。しかし基本的には、lh_config などのコマンド中のアンダースコアを空白に置き換えるだけでいいはずです。 置き換えて lh を lb にするだけでいいはずです。
(2010-10-06訂正)
live-helper 1.0.x (lenny) | live-helper 2 (squeeze,sid) |
lh_config | lb config |
lh_build | lb build |
lh_clean | lb clean |
例:
$ lb clean --all
main contrib non-free などのセクションを指定するコマンドが変更されました。
live-helper 1.0.x (lenny) | live-build 2.x (squeeze/sid) |
--categories | --archive-areas |
例:
$ lb config --archive-areas "main contrib non-free"
ブート・オプション (--bootappend-live)で指定可能なパラメータが変更になっています。 詳しくは live-config の manpage に載っていますが、代表的なものをあげておきます。
ただし lenny のイメージを作成する場合にはこれらの新しいオプション名は認識されず、従来のオプション名にする必要があるようです。(2010年10月14日追記)
例:
$ lb config --bootappend-live \ "live-config.locales=ja_JP.UTF-8 \ live-config.keyboard-model=jp106 \ live-config.keyboard-layouts=jp \ persistent quickreboot"
参考URL
個人的には、これがお手軽カスタマイズをする場合の一番大きな変更だと思っています。
1.0.x ではインストールしたいパッケージ名を列挙したパッケージリストのファイルを作業ディレクトリの下の config/chroot_local-packageslists/ に保存した上で lh_config で
$ lh_config --packages-lists "foo bar"
のように指定する必要があったわけですが、2.0 では
となったようです。 つまり config/chroot_local-packageslists/ の中にある *.list というファイルはすべて自動的に登録されるようになりました。
したがって /usr/share/live-helper/lists/ にもともと配布されているリスト以外は (つまり個人的に作成したリストについては)、あるリストで他のリストを include する必要はなくなった、ということです。
まあ、1.0 においても "foo bar" のようにパッケージリストを二つならべて指定するか、 "foo" だけを指定して foo の中で『#include <bar>』のようにincludeするか、という2種類の方法は本質的には同じことだったので、この新しい2.0の方法のほうがすっきりしているような気がします。
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