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RCXは赤外線を使用した通信機能を持っています。 この通信機能を使うことで2台以上のRCXを連携させることができます。

目次

7.1 メッセージの送受信

RCX は 0 〜 255 までの値をメッセージとして(合計8個の0と1を同時に)送受信することができます。

メッセージを送信するためには

SendMessage(i); // ただし i は 0〜255 の数字

という命令を使います。 一方、受信側のロボットでは、最後に受信した値を Message() で得ることができます。 そして

ClearMessage();

という命令を使えば、 Message() の値を 0 に初期化することができます。 したがってもし一方が 0 というメッセージを送ってしまった場合、 受信側のロボットはメッセージを受け取ったことで Message() の値が 0 になったのか、 クリアして 0 になったのか、単純には判断できません。 ですので、0 は送らないようにしましょう。

では、例としてロボット1のタッチセンサ1が押されるとロボット2のモータAが正回転し、 ロボット1のタッチセンサー2が押されるとロボット2のモータがストップするプログラムを考えましょう。 (片方のロボットをリモコンの送信器のように使った例です)

//  送信側プログラム
//
#define SIGNALON 11    // モータ回転のためのメッセージ
#define SIGNALOFF 12   // モータ停止のためのメッセージ (SIGNALONと違うものにする)

task main ()
{
    SetSensor(SENSOR_1,SENSOR_TOUCH);
    SetSensor(SENSOR_2,SENSOR_TOUCH);

    while (true) {

       // センサー1だけが押されているときは SIGNALON(=11) を送信する
        while ( (SENSOR_1 == 1) && (SENSOR_2 == 0) ) { 
            SendMessage(SIGNALON);
        }

       // センサー2だけが押されているときは SIGNALOFF(=12) を送信する
        while ( (SENSOR_1 == 0) && (SENSOR_2 == 1) ) { 
            SendMessage(SIGNALOFF);
        }
    }
} 
// 受信側のプログラム
//
#define SIGNALON 11    // モータ回転のためのメッセージ
#define SIGNALOFF 12   // モータ停止のためのメッセージ

task main ()
{
    ClearMessage();                    // Message()の値を0に初期化
    while (true) {

        until (Message() == SIGNALON); // 11 を受信するまで待つ
        OnFwd(OUT_A);                  // Aのモータを正回転

        until (Message() == SIGNALOFF); // 12 を受信するまで待つ
        Off(OUT_A);                    // Aのモータをストップ
    }
}

★ 練習問題
上の例で送信側のタッチセンサを一つに減らし、そのタッチセンサが一回反応する度に受信側のロボットのモータが ON と OFF を繰り返すようにプログラムを変更しなさい。

7.2 返事もさせる

上の例では、送信側のロボットはメッセージを相手側にうまく送信できたどうか自分ではわかりません。 そこでこの節では、うまく送信できた場合にはピッ、失敗した場合にはブッというサウンドを鳴らす ようにプログラムを改良してみましょう。

//  送信側プログラム
//
#define SENDTIME 200   // 一回のメッセージを送信する最大時間
#define SIGNALON 11    // モータ回転のためのメッセージ
#define SIGNALOFF 12   // モータ停止のためのメッセージ (SIGNALONと違うものにする)

task main ()
{
    SetSensor(SENSOR_1,SENSOR_TOUCH);
    SetSensor(SENSOR_2,SENSOR_TOUCH);

    while (true) {

       // センサー1だけが押されるまで待つ
        until ( (SENSOR_1 == 1) && (SENSOR_2 == 0) ); 
        ClearTimer(0);             // 時間測定開始
        ClearMessage();            // この時点で Message() は 0 になる

        // 2秒間あるいは相手からの返事(1)がくるまで 11 を送り続ける
        while ( (Message() != 1) || (FastTimer(0) < SENDTIME) ) {
            SendMessage(SIGNALON);
        }
        if (Message() == 1) {
            PlaySound(SOUND_CLICK);    // 送信に成功したときはピッと鳴らす
        } else {
            PlaySound(SOUND_LOW_BEEP); // 送信に失敗したときはブッと鳴らす
        }
        Wait(50);     // 0.5秒休止

       // センサー2だけが押されるまで待つ
        until ( (SENSOR_1 == 0) && (SENSOR_2 == 1) ); 
        ClearTimer(0);
        ClearMessage(); 

        // 2秒間あるいは相手からの返事(2)がくるまで 12 を送り続ける
        while ( (Message() != 1) || (FastTimer(0) < SENDTIME) ) {
            SendMessage(SIGNALOFF);
        }
        if (Message() == 2) {
            PlaySound(SOUND_CLICK);    // 送信に成功したときはピッと鳴らす
        } else {
            PlaySound(SOUND_LOW_BEEP); // 送信に失敗したときはブッと鳴らす
        }
        Wait(50);     // 0.5秒休止
    }
} 
// 受信側のプログラム
//
#define SIGNALON 11    // モータ回転のためのメッセージ
#define SIGNALOFF 12   // モータ停止のためのメッセージ

task main ()
{
    ClearMessage();                    // Message()の値を0に初期化
    while (true) {

        until (Message() == SIGNALON); // 11 を受信するまで待つ
        SendMessage(1);                // 返事として 1 を送る
        OnFwd(OUT_A);                  // Aのモータを正回転

        until (Message() == SIGNALOFF); // 12 を受信するまで待つ
        SendMessage(2);                // 返事として 2 を送る
        Off(OUT_A);                    // Aのモータをストップ
    }
}


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Last-modified: 2013-01-11 (金) 17:21:58