松本成司 Seiji Matsumoto (matsu at shinshu-u dot ac dot jp)

1998年発売のMindstorms Robotics Invention System (RIS)がすでに発売中止になり、最近では保守用のパーツも入手困難になってきました。そこでそろそろ、この「ロボティクス入門ゼミ」も現行のキットであるNXTに移行していきたいと思います(予算の関係で一気に移行というわけにはいきませんが)。

開発環境としては、NQCを引き継ぐNBC/NXCというオープンソースの開発環境を使用します。NBC/NXCは、Dave Baum氏からNQCの開発を引き継いだJohn Hansen氏が中心になって開発されています。以下は主にNXCでNXTを動かすためのメモです。NQC同様、すぐれたマニュアルやチュートリアルがすでに存在していますので、まずはそれらを参考にされることをおすすめします。

中学生向け夏季講座の資料として作成したガイドもご参考に。NQC (RIS, 旧マインドストーム用)とNXC (NXT, 現行モデル用) の両言語を並行して説明してあります。 (2012-08-23追記)

2013年用に書き直した中学生向け夏季講座の資料では、モータの機能を少し詳しく説明した上で、RIS用のプログラムは省きました。NXTを使用する場合は、こちらの新しい方をお使いください。

目次

参考文献・参考サイト

準備

http://wlug.org.nz/LegoMindstorms などを参考に。

GNU/Linux上でのUSBの設定

(ディストリビューションによっては異なる可能性あり。以下は Debianの場合)

USBで接続できるように、例えば次のようなudev設定ファイルをとして /etc/udev/rules.d/70-legonxt.rules 作成しておく。

SUBSYSTEMS=="usb", ATTRS{idVendor}=="03eb", GROUP="plugdev", MODE="0660"
SUBSYSTEMS=="usb", ATTRS{idVendor}=="0694", GROUP="plugdev", MODE="0660"

ベンダーIDの03ebはAtmel、0694はLEGOを表す。前者はファームウェアを更新する際に必要。 使用するユーザをplugdevグループに登録しておく(NXTUSERはユーザIDに置き換える)。

# adduser NXTUSER plugdev 

legonxtのようなグループ名にした場合には、groupを新たに作成して、そのグループに追加しておく。

Firmwareのバージョン確認と更新方法

とりあえずバージョン1.28くらいまであげておくと最新のNBC/NXCを使う上で便利。 複数のtaskを処理する場合には、1.28だと不具合があるので John HansenさんのEnhanced Firmware を使う必要がある(バージョンは1.32)。

  • 現在のFirmwareのバージョンは「Settings」→「NXT Version」で確認できる。
  • Firmwareの入手 (LEGO社からダウンロード)
  • NXTをFirmware更新モードにするには、電源を入れた状態で背面のリセットボタン(USB端子のすぐ近く)を5秒押しつづける。すると小さなプッ、プッ、プッ、という音が聞こえるようになる。
  • Debian GNU/Linux (squeeze)上でlibnxt(Firmware更新ツール)を使ってFirmwareを更新する。
    # apt-get install libusb-0.1-4  scons
    $ wget http://libnxt.googlecode.com/files/libnxt-0.3.tar.gz
    $ tar zvxf libnxt-0.3.tar.gz
    $ cd libnxt-0.3
    $ scons
    $ ./fwflash "Firmwareのファイル名"

ちなみにFirmwareの書き換えは100回までは保証されているらしい。 http://www.afrel.co.jp/tech/techinfo_nxt.html#p7

fwflashで書き込みに失敗する場合、Atmel用のドライバが正しくロードされていない可能性がある。

$ dmesg | tail

で、例えば

[ 4992.860008] usb 10-1: new full speed USB device using uhci_hcd and address 4
[ 4993.018991] usb 10-1: New USB device found, idVendor=03eb, idProduct=6124
[ 4993.018994] usb 10-1: New USB device strings: Mfr=0, Product=0, SerialNumber=0
[ 4993.019073] usb 10-1: configuration #1 chosen from 1 choice
[ 4993.022051] cdc_acm 10-1:1.0: This device cannot do calls on its own. It is not a modem.
[ 4993.022074] cdc_acm 10-1:1.0: ttyACM0: USB ACM device
[ 5077.228041] usb 10-1: usbfs: interface 0 claimed by cdc_acm while 'fwflash' sets config #1

のようになっていれば、間違って cdc_acm がロードされているので、ロードしないように、blacklist に追加して再起動。 一旦 rmmod でモジュールをはずす。

$ sudo rmmod cdc_acm
$ ./fwflash ファームウェアファイル名

GNU/Linux上でのNBC/NXCのインストール方法

コンパイルには Pascal と libusb-dev が必要。以下はDebianの場合。

$ sudo apt-get install fp-compiler fp-units-fcl libusb-dev
$ wget http://downloads.sourceforge.net/bricxcc/nbc-1.2.1.r3.src.tgz
$ mkdir nbc-1.2.1.r3
$ cd nbc-1.2.1.r3
$ tar zvxf ../nbc-1.2.1.r3.src.tgz
$ make
$ sudo install -m 755 NXT/nbc /usr/local/bin/
$ sudo mkdir -p /usr/local/share/man/man1
$ sudo gzip -c doc/nbc.1 > /usr/local/share/man/man1/nbc.1.gz

Debian GNU/Linux上でのNextToolのインストール方法とマニュアル

$ sudo apt-get install libusb-dev libusb-0.1-4 subversion fpc
$ svn co https://bricxcc.svn.sourceforge.net/svnroot/bricxcc/ bricxcc
$ cd bricxcc 
$ make -f ./nexttool.mak
$ sudo cp nexttool /usr/local/bin/

プログラムの転送方法 (USBケーブルの場合)

$ nbc -S=usb -v=128 -d test.nxc

ファームウェアのバージョンを -v で指定。デフォルトの値は128、つまりバージョン1.28。 違うバージョンのファームウェアが入って入れば転送できない。 Enhanced Firmware v1.32 を転送する場合は

$ nbc -S=usb -v=132 -EF -d test.nxc

NXTの名前の変更

多くのNXTで通信する際、個々のNXTの名前を決めておくと便利。

$ nexttool -setname=NXT-00

(NXT-00という名前に変更)

NXCのサンプルプログラム

別のページにしました。

NXCのよく使う命令

モータ関連

OnFwd(OUT_A,75);  // モータAを最速の75%のスピードで前転させる
OnRev(OUT_AC,75);  // モータAとモータCを最速の75%のスピードで後転させる
Off(OUT_AC);  // モータAとモータCを止める
Float(OUT_A); // モータAにトルクをかけない
RotateMotor(OUT_A, 75, 45); // モータAを75%のスピードで45度前転
RotateMotor(OUT_A, -75, 45); // モータAを75%のスピードで45度後転

センサー関連のコマンド

http://bricxcc.sourceforge.net/nbc/nxcdoc/nxcapi/group___input_module_functions.html を参考に

設定

SetSensorTouch(S1); // ポート1にタッチセンサ
SetSensorLight(S2); // ポート2に光センサ
SetSensorSound(S3); // ポート3にサウンドセンサ
SetSensorLowspeed(S4); // ポート4に超音波センサ
SetSensorColorFull(S1); // ポート1にカラーセンサ (フルカラーモード)

マニュアルにあるSetSensorUltrasonicは、まだ動かない?

センサーの値

センサの値は、SENSOR_1,SENSOR_2,SENSOR_3,SENSOR_4 で取得できます。 ただし超音波センサは、SensorUS(S1) のように取得します。

NXCではセンサ関連の関数も豊富に用意されています。

unsigned int d = SensorValue(S4); // ポート4につないだ超音波センサの値(単位cm)を変数 d に代入
unsigned int valRed = ColorSensorValue(S1, INPUT_RED); // ポート1につないだカラーセンサーから赤の値を読んで valRedに代入

詳しくは、 http://bricxcc.sourceforge.net/nbc/nxcdoc/nxcapi/group___input_module_functions.html を参照のこと。

マクロ・関数・サブルーチンの定義

マクロはNQCと同様。サブルーチンはNQCと違い、引数をとることができる。

sub turn_left(int pwr)
{
    OnRev(OUT_A,pwr); OnFwd(OUT_C,pwr);
    ....
}

関数もNQCとは違い、インライン関数ではなく、void 以外の型 (整数型やストリング型)を取ることができる。つまり、sub は void とまったく同じ。

NQCの関数に相当するのは、インライン関数で inline というキーワードが必要。

inline void turn_left()  // NQCと違って inline というキーワードも必要
{
    ....
}

NQCと同じ PlayTone の他、PlayToneEx(周波数, 時間, ボリューム, ループするか?) も使える。

PlayTone(440, 500, 3, False);  // 440Hzの音を0.5秒間鳴らす(ボリュームは3)

その他、PlayFileEx(ファイル名, ボリューム, ループするか?) でサウンドファイルも演奏できる。

ディスプレイへの表示

TextOut(0,LCD_LINE3,"Hello World!"); // 1行目の左端(x座標が0)から "Hello World!" という文字列を表示する

座標は左下の隅が(0,0)。y軸については8の倍数でなくてはならないが、LCD_LINE1(=56)からLCD_LINE8(=0)までの定数を使ったほうが便利。

NumOut(0,LCD_LINE1,x); // 1行目の左端(x座標が0)からxの値を表示する

小数点以下2桁まで?

タイマー

long t0, t ;
t0 = CurrentTick();  // 時刻を t0 に代入
...
t = CurrentTick()-t0; // t0 にCurrentTick()の値を代入してからの時間 (1/1000秒単位)
long t = FirstTick();  // プログラムがスターとしてからの時間 (1/1000秒単位)

NXT同士の通信

チュートリアルの42ページを参考に。 Bluetoothで合計4台(master1台,slave3台)のNXTが接続可能。masterはline 0, slaveはline 1〜3に割り当てられる(以下の conn)。queueのところにはメールボックスの番号(0〜9 または MAILBOX1〜MAILBOX10)が入る。

BluetoothStatus(conn) // 接続をチェックする関数
SendRemoteBool(conn,queue,bval); // slaveにブール値を送る (master側)
SendRemoteNumber(conn,queue,val); // slaveに数値を送る (master側)
SendRemoteString(conn,queue,string); // slaveに文字列を送る (master側)
SendResponseBool(queue,bval); // メールボックスにブール値を書き込む (slave側)
SendResponseNumber(queue,val); // メールボックスに数値を書き込む (slave側)
SendResponseString(queue,str); // メールボックスに文字列を書き込む (slave側)
ReceiveRemoteBool(queue,clear,bval); // slaveのメールボックスからブール値を読み込む (master側)
ReceiveRemoteNumber(queue,clear,val); // slaveのメールボックスから数値を読み込む (master側)
ReceiveRemoteString(queue,clear,str); // slaveのメールボックスから文字列を読み込む (master側)
RemoteStartProgram(conn,filename); // slaveのプログラムを起動
RemoteStopProgram(conn,filename); // slaveのプログラムを停止
RemotePlayTone(conn,freq,duration); // slaveのサウンドを鳴らす
RemoteRestMotorPosition(conn,port,clear); // slaveのモータをリセット

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Last-modified: 2018-02-20 (火) 13:32:59 (269d)