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* 光センサのケーブル交換 [#x8675515]

長年RISを使っていると、どうしてもセンサやモータを接続するケーブルのゴムが劣化してきます。
しかし、LEGO社のサポートもとっくに終了し、国内の販売店からそれらの新品を入手するのはなかなか難しい状況です。

&ref(./repair-01.jpg,50%);
&ref(./repair-02.jpg,50%);

2018年現在、世界中にどのくらい現役のRISユーザがいるのかよく分かりませんが、
ケーブルさえ使えればまだ遊べるキットなのになぁと思っておられるユーザや、
ネット・オークションなどで中古品を入手されたユーザもいるのではないかと思います。

多少でもそういうユーザのお役に立てればと思い、これまで筆者(松本)が行ってきた修理方法を紹介します。
ただし、カッターや半田ごてを使うので、それなりの危険が伴います。
怪我をされても一切責任を取れませんので、トライされる場合はすべて自己責任・安全第一でお願いします。

** 必要な道具など [#pf0366ba]

最低必要なもの

通常の半田付けに必要な道具に加え、コネクタなどを分解するためにマイナスの精密ドライバーが必要です。以下リストアップしておきます。

- カッター
-- よく切れるもの。刃厚が細いほうが綺麗に光センサを分解できますが、あまり細い刃厚のものだとカッター自体を持ちにくく剛性も低いので、適度なものを用意しましょう。
- 精密ドライバー(マイナス)
-- 端子をこじ開けたりするのに使います。
-- 百円ショップのものでも使用可能だと思います、先端の厚みが薄くて且つ丈夫なものがよいでしょう。
-- ここで紹介した例では、ANEXの時計用精密ドライバーのNo.72(マイナス,1.8)とNo.73(マイナス,2.1)を使用しています(ホームセンターで購入)。
- はんだごて
-- 通常のものでOK。ただし、最近は鉛フリーはんだを使うことが多いので、その場合は、できれば温調機能つきのものを使った方が簡単に上手にはんだ付けできます。
-- ちなみに筆者は、このサイズの基盤のはんだ付け用に HAKKO FX-600のコテ先をT18-2C(円筒を斜めにカットしたタイプ)に交換したものを愛用しています。
- はんだ
-- 直径0.6mm〜0.8mmくらいのものが使いやすいでしょう。あまり太いと、こて先の温度が下がりやすくはんだ付けに時間がかかり、精密な作業もしにくいです。
- はんだ吸い取り線またははんだ吸い取り機
-- 古いケーブルを取り除いたあと不要なはんだを除去します。
- ニッパー
-- ハンダ付けのあと余分な電線をカットするために使います。
- 基盤ホルダーなどの固定台
- ABS用接着剤
-- 一般のプラスチック用の接着剤は使えません。
- 新しいケーブル (19cm/本)
-- もとの太さと同程度のもの
-- もちろん好みに合わせて長くすることも可能です。
-- 筆者は、ホームセンターで1メートルあたり40円程度で切り売りされている灰色のビニル平型ケーブル(VFF 0.3)を使っています。断面は3.0mm×1.5mm(実測値)。同じ VFF 0.3 という規格でも、例えばスピーカー用の赤黒線は、少し太いので使えません。注意しましょう。

あれば便利なもの

- 無水エタノールと綿棒
-- 古いはんだを除去したあと清掃に使います。
- テスタ
-- 導通テストに使います。なければ直接RCXに接続してテストします。

** 本体の分解 [#v689acb8]

ケースは青と濃灰の二つのパーツでできています。
これらは一部接着されているので完全に非破壊で分解するのは難しいと思います。
しかし、なるべく綺麗に分解していきます。

まずケースを裏返すと、青い部品の一部を変形させて爪にしているのがわかります。
まずこの爪のはみ出している部分を切り取ります。

&ref(./repair-03a.jpg,50%);
&ref(./repair-03b.jpg,50%);

青い部分を全部切り取るのではくて、一段下がったところにはみ出ている部分だけを切り取れば十分です。

&ref(./repair-04.jpg,50%);
&ref(./repair-05.jpg,50%);

写真のような感じで、上からと横からとカッターで軽く何度かなぞれば切りとれるはずです。
6箇所切り取ると下のような写真のようになります。

&ref(./repair-06.jpg,50%);

次に、分解したあとの次の写真を参考に、四隅の接着されている部分を切り取ります。

&ref(./repair-14a.jpg,50%); (分解後の写真、四隅の青い部分だけを切る)

青と濃灰の境界にカッターの刃を入れ、そぉーっと切っていきます。
一段凹んでいる溝の部分ならどこでもよいというわけではなく、あくまでも青と濃灰の境界を狙って切っていきます。

&ref(./repair-10a.jpg,50%);

この時、片方の手でブロックを持ちながら刃を入れていくので、とても危険です。
一気に力を入れるのは厳禁です。
とにかく、力をあまりいれないように、少しずつ確認しながら、何回にも分けて、少しずつ深くカットしていきます。

&color(red){力を入れると、切り過ぎて中の部品を痛めるだけでなく自分の手も切ってしまうので非常に危険です。とにかく力をあまり入れないように!!!};

接着されている箇所が切り離された瞬間、2つの部品の離れるのが感触でわかるはずです。

&ref(./repair-07.jpg,50%);
&ref(./repair-09.jpg,50%);

特に注意しなければいけないのは、上からみて右側の隅です。
ここにはLEDのカバーが附いているので、それを切らないようにします。
実際に、他の隅は接着部分がL字にはめられていますが、ここだけはL字ではありません。

&ref(./repair-08.jpg,50%);
&ref(./repair-11a.jpg,50%);

四隅が離れたら、正面(ケーブルのついていない側)からマイナスの精密ドライバを隙間に入れて軽くこじ開けて行きます。
このときも力を入れすぎると部品が変形してしまうので、とにかく左右交互に少しずつ開けていきます。

&ref(./repair-13.jpg,50%);

ところで、濃灰の部品にはもともと下のようなケーブルを止めるための突起がついています。

&ref(./repair-59a.jpg,50%);

しかし、この部分はケーブルと固着していることが多く、きれいにはずれることは滅多にありません。
筆者が試した範囲では、この部分が折れずにうまく外れたのは10個に1個あるかないかです。
ですので、この部分を残すのは諦めて、少し力を入れて折ってしまいましょう。
前の4箇所の爪が一応はずれて、後の2箇所の爪もはずれそうであれば、青いパーツを斜めに持ち上げると、パチンと折れます。
この部分がなくても、ケーブルを接着剤で固定すればそれほど問題はないと思われます。
分解できると、次の写真のようになります。

&ref(./repair-14.jpg,50%);

次に、先ほど折れた部分で固定されているケーブルを外します。
固着しているとラジオペンチで引っ張ってもなかなかとれないので、根気よく削り取ることにします。

まず、この止めの真ん中あたりにカッターでV字に切り込みを入れます。
そして徐々にV字を大きくしていくように少しずつカッターで削ります。

&ref(./repair-15a.jpg,50%);
&ref(./repair-16.jpg,50%);

ある程度中心部が削れたら、青いパーツと接している横からマイナスの精密ドライバーで少しずつ削って行きます。折れたプラスチックの部品がある程度削れたら次はケーブルを外します。
ケーブルも固着しているので、根気よく少しづつ外します。

この時、てこの原理を使って精密ドライバーでケーブルをグイッと引き上げたいところですが、青いプラスチックもそれほど丈夫ではないので、深いところまでドライバを入れずに、浅いところで何回にもわけて軽く上に持ち上げて行きます。とにかく力をあまりかけないように。

&ref(./repair-17.jpg,50%);
&ref(./repair-18.jpg,50%);

ケーブルが外れたら、あとは中に残っている電線の切れ端やゴムを綺麗に取り除きます。取り除く、といっても実際には精密ドライバーで丁寧に削っていく感じです。導線の破片が残っていると、あとあとトラブルの原因になる可能性があります。

写真が少し見にくいですが、中のゴミを取り去った後の写真です。
この穴は使わないので、綺麗にゴミをとるだけで、中の形が少々変形しても気にしないことにします。

&ref(./repair-19.jpg,50%);


** ケーブルの半田付け [#w9cf2086]

まず古いケーブルを外します。

&ref(./repair-20.jpg,50%);

この時、基盤ホルダーなどが必要ですが、下の例では100円ショップで入手したバイスを使っています。

&ref(./repair-21.jpg,50%);
&ref(./repair-22.jpg,50%);

片方の残ったケーブルをバイスに固定して、片手で基盤をわずかに上方向に引っ張りながら、はんだごてで接続箇所を熱します。はんだが溶ければケーブルがすぐにはずれます。

同様にもう一本のケーブルも外します。
2本とも外れると、次の写真のようになります。

&ref(./repair-23.jpg,50%);

次に基盤をバイスに固定して、はんだ吸い取り線で残っているはんだを吸い取ります。
はんだ吸い取り線をホール部分に当て、上からはんだごてで熱します。
うまく吸い取れないようでしたら、一度はんだを追加して(少し盛り上がる程度)から吸い取るようにするとよいでしょう。

&ref(./repair-24.jpg,50%);

余分なはんだを吸い取れば次の写真のようになります。はんだが残っていると新しいケーブルを差しにくいので、なるべく綺麗に取りましょう。

&ref(./repair-25.jpg,50%);
&ref(./repair-26.jpg,50%);

さらに綿棒に無水アルコールを含ませて軽く拭くと、茶色いフラックスも綺麗にとれて、次の写真のようにピカピカになります。

&ref(./repair-27.jpg,50%);
&ref(./repair-28.jpg,50%);

次に、新しいケーブルの先端の被覆を5mm程度剥がし、導線をねじっておきます。
そして、基盤の表側(部品のついている側)からケーブルを差し込み裏側ではんだ付けをします。

&ref(./repair-29.jpg,50%);
&ref(./repair-30.jpg,50%);

はんだ付けが済んだら、はみ出ている余分な導線をニッパーでカットしておきましょう。

&ref(./repair-31.jpg,50%);
&ref(./repair-32.jpg,50%);


** 組み立て [#a696219c]

では、もとのケースに基盤を入れ、濃灰の部分もはめて借り組みしておきましょう。
6箇所の穴に爪の部分を入れて軽く押さえればパチンと入るはずです。

&ref(./repair-33.jpg,50%);
&ref(./repair-34.jpg,50%);

反対側のコネクター部分ができてから、後ほどで接着剤で固定することにします。

** コネクタの分解 [#i18296dd]

&ref(./repair-37.jpg,50%);

コネクタ部分を分解します。裏返して次の写真のように裏蓋とケースと止めている爪の部分にマイナスドライバーを差します。ここで使用しているのは ANEX No.72 で先端の幅は1.8mmです。
軽く裏蓋を押し下げるようにして、ドライバーを斜めに押して差し込みます。

&ref(./repair-39.jpg,50%);
&ref(./repair-41.jpg,50%);

あまり先端が厚いものだと爪を痛めてしまうので、なるべく先端の厚みの薄いものを使いましょう。
上の写真のようにドライバーの先端がわずかに顔を出す程度で止めます。

さて、ここから少し難易度が高くなります。

てこの原理でグイッとやると必ずといっていいほど部品が割れてしまいます。
そこで、コネクタを垂直に立てた状態で、ドライバの起こす角度を水平程度にしておきます(90度をわずかに越える程度)。そして爪を引っ掛けたまま、ドライバをそっと抜くように平行移動します。
爪をドライバで引きずってくる感じです。
わずかでも爪が爪穴から外れて内部に入ればOKです。ここで無理をして全部外してはいけません。

&ref(./repair-42.jpg,50%);

反対側も同じように、爪を穴から少しだけ内部に入れます。

次に、今度は爪穴に逆からドライバを差し込み、わずかな力で上方向に爪の部分を押し上げます。
左右、少しずつ交互に押し上げていって、両方とも外れればOKです。
ただし、このとき押し上げすぎると反対側の壁の部分が折れてしまうので、裏蓋が外れるか外れないかギリギリのところで止めておきます

&ref(./repair-43a.jpg,50%);
&ref(./repair-43b.jpg,50%);
&ref(./repair-44.jpg,50%);

次に少し太めの(先端幅2.1mm)のマイナスドライバをケーブルの穴から入れ、裏蓋をドライバーと親指ではさむようにして持ちます。
そして、横方向に引き抜くつもりで裏蓋を少しずつ引っ張ります。

この時、間違っても上方向に持ち上げようとしてはいけません。持ち上げようとすると反対側の壁の部分がすぐに折れてしまいます。

うまくはずれると、次の写真のようになります。

&ref(./repair-45.jpg,50%);

ケーブルには端子が刺さっていますが、そっと剥がすようにすれば、外れます。
この時、ケーブルに刺さっていた端子が曲がってしまったら、マイナスの精密ドライバでまっすぐに直しておきましょう。曲がったままだと接触不良や短絡を起こしてしまうので丁寧にまっすぐにしておきましょう。

また、ついでなので、ケーブルを交換する前に端子部分を無水エタノールで拭いて綺麗にしておきましょう。

&ref(./repair-46.jpg,50%);

** ケーブル交換のコネクタの組み立て [#pda0e834]

&ref(./repair-47.jpg,50%);
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** チェック [#naaa64b4]


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&ref(./repair-58.jpg,50%);

** 接着 [#h5179e80]

&ref(./repair-35.jpg,50%);
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