[[2017b/Member]]
* 課題1 書道ロボット [#h2485b80]
これまで住んだことのある都道府県名、市町村名、地区名などの中から2文字以上のものを選び、それをA4の紙に書くロボットを製作せよ。
** 選んだ文字 [#i9d46747]
私は何回か引っ越しをしており、文字の候補はいろいろあったが、直線の多さ、画数の少なさから、現在の実家がある北海道札幌市の「東区」に決定した。
* 製作したロボットについて [#s8c97626]
一番最初に全員が作った車のロボットにペンを上下させるための機構をつけただけの単純なものである。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/3.jpg,480x640,ロボットの全体図)
バックするときに後輪が邪魔して思い描いていた軌跡から大きくずれてしまうことが分かったので、後輪周辺の機構をいろいろ変えてみたが、結局後輪自体を取り外してしまい、代わりに半円状のブロックを取り付けてしまうのが最善であることに気づき、実行した。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/2.jpg,480x640,後ろ)
* 作成したプログラムについて [#vac598db]
** 描く軌跡の設計 [#r77d436f]
まず、製図用紙に定規を使って「東区」を描いた。ゴシック体の「東」「区」を参考にして、後にプログラムが書きやすいように、斜め線の角度も、30度、40度、60度、90度を用いて描いた。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/4.jpg,480x640,初期東区)
** 基本的プログラム [#y2a5117c]
前に進む、後ろに下がる、回転する、ペンを上げる、ペンを下げる
主にこの5つを行うためのプログラムをマクロ、関数を用いて作成した。
#define go_forward(t) OnFwd(OUT_A,33);OnFwd(OUT_B,30);Wait(t);Off(OUT_AB);//前に進む
#define go_back(t) OnRev(OUT_A,33);OnRev(OUT_B,30);Wait(t);Off(OUT_AB);//後ろに下がる
#define pen_up OnFwd(OUT_C,-20);Wait(400);Off(OUT_C);//ペンを上げる
#define pen_down OnFwd(OUT_C,20);Wait(400);Off(OUT_C);//ペンを下げる
void turn_left(int t)//左に回転
{
OnFwd(OUT_A,33);OnFwd(OUT_B,30);
Wait(1100); Off(OUT_AB);
OnFwd(OUT_A,32);OnRev(OUT_B,30);
Wait(t);Off(OUT_AB);
OnRev(OUT_A,33);OnRev(OUT_B,30);
Wait(1100);Off(OUT_AB);
}
void turn_right(int t)//右に回転
{
OnFwd(OUT_A,33);OnFwd(OUT_B,30);Wait(1100);
Off(OUT_AB);OnRev(OUT_A,32);OnFwd(OUT_B,30);
Wait(t);Off(OUT_AB);
OnRev(OUT_A,33);OnRev(OUT_B,30);
Wait(1100);Off(OUT_AB);
}
go_forward(t)、go_back(t) の引数tは、進む（下がる）距離[cm]ｘ100になるように速度を調節した。turn_left(int t)、turn_right(int t)の引数tは、回転する角度[°]ｘ10になるように速度を調節した。
また、ロボットの両輪のモーターのパワーには齟齬があり（モーターBの方が僅かに強い。）
ロボットが動く方向にズレが生じないように、モーターAの出力をモーターBより大きくしている。
*** 回転についての詳しい説明 [#e5980e46]
車型ロボットの最大の欠点は、XY型ロボットと比較すると、ペンの進む向きを変えるのに面倒なプログラムを組まなければならないことである。XY型ロボットでペンの進む向きを90度変えるならば,いままでX方向に進んで来たとすると、Y方向に進むプログラムをただ加えればよい。90度以外の場合も、X方向ベクトルとY方向ベクトルを合成すれば、簡単に斜めの線を描くことができる。
それに対して車型ロボットは、ペンの進む向きを変えるのに5つの段階を踏まなければならない。
例えば、左にペンを進む向きを変えるとするならば、
� ．撻鵑鮠紊欧�
�◆．撻鵑鮠紊欧唇銘屬房屬�回転する中心の位置が重なるまで進む
OnFwd(OUT_A,33);OnFwd(OUT_B,30);Wait(1100); Off(OUT_AB);
�� 回転する（2つのモーターをそれぞれ逆の方向に動かす）
OnFwd(OUT_A,32);OnRev(OUT_B,30);Wait(t);Off(OUT_AB);
�ぁ．撻鵑鮠紊欧唇銘屬縫撻鵑琉銘屬�重なるまで下がる
OnRev(OUT_A,33);OnRev(OUT_B,30);Wait(1100);Off(OUT_AB);
�ァ．撻鵑魏爾欧�
ペンを下ろしたまま�◆銑イ亮蟒腓鯑Г爐伐爾里茲Δ糞粟廚鯢舛�。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/90.jpg,480x350,90度)
ロボットは、うまくプログラムを作ったつもりでも、思い通りの軌跡を描くことはまずない。完璧に近づけることは出来ても、完璧になることはないのである。このプログラムは、何度も試行錯誤してやっとうまくいったものだが、それでもペンがペンを上げた位置にぴったり戻っていないのがわかる。
そこで、ズレを直すためにプログラムを変えても、今度は電池が減ったりしてまたズレていく。
車型ロボットはXY型ロボットに比べて、そのズレが生じやすいので、プログラム作成中は、そういう意味でも車型ロボットにしたことを後悔した。
** 基本的プログラムを組み合わせて実際に文字を描く [#d54be9b4]
前述の通り、回転する回数が多いとズレが積み重なって無視できないほどのズレが生じてしまうことが分かったので、最初に設計した「東区」の文字を改良した。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/5.jpg,480x640,改良東区)
「東」の1番上の横線と下3本の横線の長さを同じにして、斜め線も横幅に収まるようにすることで、回転しなければならない回数を最小限にした。
ここからは、実際に「東区」を描く手順を5段階に分けて、段階ごとの設計図とそれを描くためのプログラムを掲載する。なぜそのような手法を取ったかというと、一気にたくさんのプログラムを作成してからロボットを試走させると、ズレにズレが積み重なって何の文字だか全くわからなくなってしまう上に、いったいプログラムのどの位置でズレが発生しているのかもわからなくなってしまうからである。それを解消するために、まず小さな段階ごとに、ズレが生じないようにプログラムを修正し、設計図に近づいたのを確認してから次の段階に進むというのを繰り返す作業を行った。
ここからは、実際に「東区」を描く手順を5段階に分けて、段階ごとの設計図とそれを描くためのプログラムを掲載する。なぜそのような手法を取ったかというと、一気にたくさんのプログラムを作成してからロボットを試走させると、ズレにズレが積み重なって何の文字だか全くわからなくなってしまう上に、いったいプログラムのどの位置でズレが発生しているのかもわからなくなってしまうからである。それを解消するために、まず小さな段階ごとに、ズレが生じないようにプログラムを修正し、設計図に近づいたのを確認してから次の段階に進むというのを繰り返す作業を行った。実際にロボットが描いた段階ごとの軌跡の写真は撮り忘れてしまったのでご了承頂きたい。
*** 1~4画の設計とプログラム [#dd4d80ed]
書き順は無視して最初の4画は同じ長さの横線4本を描く。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/1234.jpg,480x350,1234)
pen_down;
go_forward(800);
pen_up;
go_back(900);
turn_left(900);
go_forward(200);
turn_right(900);
pen_down;
go_forward(800);
pen_up;
go_back(900);
turn_left(900);
go_forward(200);
turn_right(900);
pen_down;
go_forward(900);
pen_up;
go_back(900);
turn_left(900);
go_forward(200);
turn_right(900);
pen_down;
go_forward(900);
pen_up;
ペンを下ろし、前に8cm進んでからペンを上げて戻るという動作を2cm下方向への移動を介して4回繰り返したもの。
*** 5~7画の設計とプログラム [#r1f11512]
長さの違う縦線を3本描く。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/567.jpg,480x350,567)
pen_down;
go_forward(400);
pen_up;
go_forward(400);
turn_left(900);
go_forward(300);
turn_left(900);
pen_down;
go_forward(1000);
pen_up;
turn_right(900);
go_forward(500);
turn_right(900);
go_forward(100);
pen_down;
go_forward(400);
pen_up;
右左折、ペンの上げ下げを繰り返して、1~4画の横線にうまく合うように描く。
*** 8~9画の設計とプログラム [#jd6b286b]
45度の斜め線を2本描く。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/89.jpg,480x350,89)
pen_down;
go_forward(500);
pen_up;
go_forward(200);
turn_right(900);
go_back(200);
pen_down;
go_forward(500);
pen_up;
ここで、回転するプログラムの引数を450にして、45度の回転を実現。今まで描いたものに合うように細かい調節が必要となった。
*** 10~12画の設計とプログラム [#qbc795b6]
ここからは「区」を描く。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/101112.jpg,480x350,101112)
pen_down;
go_forward(800);
pen_up;
turn_left(900);
go_back(200);
pen_down;
go_forward(800);
pen_up;
turn_left(900);
go_back(200);
pen_down;
go_forward(800);
pen_up;
ペンの上げ下ろしと直進と左折2回を含んだだけの比較的簡単なプログラム。
*** 13~14画の設計とプログラム [#y95313c8]
☓を描く、最後の2画。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/1314.jpg,480x350,1314)
pen_down;
go_forward(500);
pen_up;
go_back(250);
OnRev(OUT_A,32);
OnFwd(OUT_B,30);
Wait(300);
Off(OUT_AB);
pen_down;
OnFwd(OUT_A,32);
OnRev(OUT_B,30);
Wait(600);
Off(OUT_AB);
pen_up;
最後の1画は、円弧にした。実際にロボットが描いた「東区」は下に載せる。
** 完成図 [#l1883610]
上記のプログラムを上から順に実行して、「東区」を完成させた。
#ref(2017b/Member/takeshi/Mission1/s_higashikukansei.jpg,480x640,東区完成)
多少の線同士のズレ、角度の誤差はあるが、なかなか綺麗に描けたと思う。
* 感想 [#v2451228]
最初は、基本的プログラムを作成したとき、「あとは設計図に従ってこのプログラムを並べていくだけだな」と思ったが、実際は全くそうではなかった。その日のロボットの具合、電池の残量、モーターの左右の誤差、後輪の影響、テーブルの上を動くときと紙面を動くときの違いなど、考慮に入れなければならない事象がたくさんあった。
また、プログラムをNXTに送信する際、原因不明のエラーが何回も起きて、苦労した。
この課題は、当初予想していたものよりずっと大変だったが、この課題を通して、NXTの動かし方の基礎的な部分は身につけられたと思う。
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